国際文化交流学科新入生のための勉強法の紹介

国際文化交流学科へのご入学おめでとうございます。

今回、新型コロナウイルス感染拡大防止のために、2020年5月からの授業開始となりました。1か月遅くのスタートとなりますが、可能な限り安全な環境を整えて、みなさんの大学での学びをフォローしていきたいと考えています。

みなさんには、4月という1か月もの貴重な時間を、大いに活用してもらいたいと思います。感染症の歴史について調べるのも良いですし、今まで読めなかった長編の物語にチャレンジするのも良いでしょう。

ここでは、知識を深める読書と、語学の勉強のしかた、また大学で本格的に実践するリサーチのヒントについて、みなさんに紹介したいと思います。

• 新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』東洋経済新報社、2018年
• 新多了『「英語の学び方」入門』研究社、2019年
• スベトラーナ・アレクシエービッチ『チェルノブイリの祈り』岩波書店（岩波現代文庫）、2011年
• 庵功雄『やさしい日本語－多文化共生社会へ』岩波書店（岩波新書）2016年
• 石川九楊『日本語とはどういう言語か』講談社（講談社学術文庫）、2015年
• 内田樹『街場のメディア論』光文社（光文社新書）、2010年
• 内田義彦『読書と社会科学』岩波書店（岩波新書）、1985年
• 遠藤周作『沈黙』新潮社（新潮文庫）、1981年
• 加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』新潮社（新潮文庫）、2016年
• 川北稔『砂糖の世界史』岩波書店（岩波ジュニア新書）、1996年
• 鴻上尚史『クール・ジャパン!?』講談社（講談社現代新書）、2015年。
• 坂口安吾『堕落論』集英社（集英社文庫）、1990年
• 多和田葉子『エクソフォニー－母語の外へ出る旅』岩波書店（岩波現代文庫）、2012年
• 平田オリザ『わかりあえないことから－コミュニケーション能力とは何か』講談社（講談社現代新書）、2012年
• 本名信行『世界の英語を歩く』集英社（集英社新書）、2003年
• みなみななみ『まんが クラスメイトは外国人―多文化共生20の物語』明石書店、2009年
• ネルケ無方『日本人に「宗教」は要らない』ベストセラーズ（ベスト新書）、2014年
• 横山智『納豆の起源』日本放送出版協会、2014年
• 夏目漱石の作品や論考、たとえば「私の個人主義」など（青空文庫などでも読めます）。

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  TED Talks とはさまざまな分野の専門家や素晴らしいアイデアを持つ人にプレゼンをしてもらい、そこから大いに学ぶことを目的としたアメリカの企業によるプロジェクトです。HPから自分の興味あるプレゼンを検索して良いのですが、有名なものには、Apple 社の共同創設者のひとり、故スティーブ・ジョブズ「How to live before you die」、モデルのキャメロン・ラッセルの「Looks aren't everything. Believe me, I'm a model」などがあります。

• a )

  ウイルスの感染拡大が、日本や世界の他の国の観光産業にどのように影響を与えているのか？　過去の感染症の流行（SARS、MERS、エボラ熱…）が観光産業に与えた影響は？
  

• b )

  横浜中華街のようなエスニック・タウンに与えた影響はどのようなものか？　民族差別的な見方はなかったのか？　他の国・地域のチャイナタウンについてはどうだったのか？
  

• c )

  グローバル化した世界において、多くの国がとる国境封鎖という対応策が意味するものは？
  

• d )

  感染を防ぐためにできた新しいあいさつのしかたにはどのようなものがあるのか？　あいさつのマナーは歴史上、他の地域の影響を受けながら、どのように変化していったのか？
  

• e )

  感染症拡大への対応策（医療行為や休校・イベント中止など）は、国によって異なるのか？　文化や制度の影響を受けるのか？
  

• f )

  各国の政府やメディアは、他国の感染状況や対策についてどのように伝えているのか？
  

• g )

  「新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)」は、異なる呼び方をされる場合があるが、それがもつ意味合いは？他の病気の名称（ペスト、梅毒、結核、ハンセン病、スペインかぜ…）については？
  

• h )

  人類と感染症の関係の歴史は、闘いと共生の歴史と言われるが、「共生」とは何を意味するのか？
  

こうした勉強法はあくまで一例です。自分で目標を決めたり、問題を考えたりすることが大学の研究では重要です。この1か月という貴重な時間を、ぜひ充実したものにしてください。みなさんと5月に会えるのを楽しみにしています。

国際文化交流学科