神奈川大学 国際日本学部
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 日本文化学科 学科主任からのメッセージ
日本文化学科
学科主任 上原 雅文

日本文化学科へようこそ。

みなさんは、この学科を志望した時にどんな学びを期待したでしょうか。
みなさんの期待は様々だと思います。それを大切にすることはもちろん大事ですが、われわれ教員は、みなさんの期待を、いい意味で「裏切りたい」と思っています。

授業では、「日本文化」というものについて、あるいは「世界の中の日本」のあり方について、必ず新たな発見があります。新しい知識に出会って、わくわくすると思います。みなさんが積極的に授業に参加するほどに、それが実感できます。そして次には、受け身ではなく、みずから進んで調べたり研究したりする意欲が生まれてくるはずです。いささか逆説的ですが、「こんなはずじゃなかった!」、そう思える学びの楽しさを味わえる場、それが日本文化学科なのです。

外国との「文化交流」、そして「多文化の共生」、これは世界的に求められている課題ですが、十分な実現には至っていません。日本文化を学ぶことは、その実現ためにどのような意味があるのでしょうか。

日本文化は、古くは中国・朝鮮半島から、漢字や儒教・仏教、政治制度や衣食住などの文化を移入し、また新しくは欧米から多くの文物を移入し受容する中で形成されてきたものです。そこには独自の変容過程があり、独創的な文化も生まれてきました。平仮名の発明などはその典型です。

和装に代表される服飾文化やJ-POP、漫画やアニメも同様に、異文化受容の産物です。つまり、日本文化の中には、異文化の「受容」とその独創的な「変容」という形での、「多文化の共生」が見られるのです。その柔軟性にこそ日本文化の特徴があるといっていいかも知れません。

そのような特徴をもった日本文化の歴史と現在を深く知ること、それは、異文化との交流や多文化の共生について多くのヒントを得ることにつながると思います。少なくとも、日本文化を唯一優れたものとして固定して考えることの間違いに気づき、その反対に外国文化を貶めたり、いたずらに崇拝したりすることの過ちにも気づくはずです。

みなさんにとって、日本文化学科での学びが、人間としての成長につながることを願ってやみません。われわれ教員は、みなさんの成長を全力でサポートします。